2011年11月7日月曜日

台風の後の秋葉山

秋葉山(866m) 2011年10月21日
  このところ私の周辺で様々の出来事に追われ、山歩きどころではない日々が続いておりましたが、ようやく先の見通しも立ち久々にトレーニングも兼ねてF氏、H氏と共に秋葉山に行ってきました。今年平成23年はここ遠州地方でも台風15号の洗礼を受けました。雨風がそれはそれは強烈なもので、特に風はこれまで経験したことのないほどの強風で、我が家の雨樋が吹き飛んだほどです。喉元過ぎればで、この台風の影響をすっかり忘れてましたが、秋葉山下社から「くりはし」を渡り、参道のアプローチに立ってみたら、あちこちすごいことになっています。参道が崩れ、大木が倒れて道をふさいでいたりとあちこち被災しています。各方面の方々のご努力で少しずつ修復が施されていますが、まだまだかかりそうです。



  この秋葉山は火防の神様として古くから信仰を集めており、消防関係の諸団体の名前が寄進者や参拝団体の名前に多く見られます。登山道にも禁煙、火防の表示が沢山あります。
  因みに「秋葉原」の由来はここなんです。1869年(明治2年)12月の大火を受け、明治天皇の勅命で現在のJR秋葉原駅構内の地に勧請された「鎮火社」を、江戸時代に火防(ひぶせ)の神として広く信仰を集めていた神仏混淆の秋葉大権現(あきはだいごんげん)が勧請されたものと誤解した人々が「秋葉様」「秋葉さん」と呼び、火災時には緩衝地帯となるよう空き地とされていた社域を「秋葉の原」「秋葉っ原」と呼んだことに由来だそうです。その鎮火社は1870年に秋葉社となり、1888年(明治21年)日本鉄道が建設していた鉄道線(現在の東北本線)が上野から秋葉原まで延長されるのに伴って台東区松が谷3丁目に移転され、秋葉神社となったといわれてます。いずれにしても、この秋葉山が総本山(神社本庁傘下だけで約800社らしい)ですのでAKB48はメンバー全員でここ秋葉山に参詣しなくてはいけないのでは?じゃんけん大会より秋葉山登山で順位を決めてはいかがでしょう?

  また、この秋葉山は火難除けの神を祭る神社の総本山ですので、火災に悩まされていた江戸市中の人々の間でその信仰は急速に広まっていました。野次北さん北さんで有名な、東海道膝栗毛の中でも掛川の宿から東海道をそれて秋葉詣でに行くとの記述があると言われているようです。横道にそれるといっても掛川から秋葉山まで約50Km程ありますし、秋葉山から気賀、三ケ日宿辺りの姫街道に戻ったのでしょうが、御油宿か二川宿で東海道に戻ったのかは定かではありませんが、少なくとも2~3日は余分にかかるはずです。ずいぶんゆったりとした旅だったのですね。


  これは歌川広重の東海道五十三次のうち「掛川秋葉山遠望」ですが、掛川宿の手前の塩井川に掛かる橋の上を、秋葉詣の旅人と修験者がすれ違う場面が描かれています。火橋の手前に描かれている二本の常夜灯は、秋葉山の入り口を示しています。右側奥の山が秋葉山だそうです。

  旧姫街道の石畳などの山を歩くたびにいつも思うのですが、昔の人はホントに草鞋ばきで山道をあるいたんですね。当時の人の足の裏はどんなんだったのでしょうね。話はまたまた横道にそれますが、松本清張原作の短編「天城越え」のNHKドラマを見た時のことを思い出しました。大谷直子演ずる足抜け娼婦が、鶴見信吾の家出の少年に「兄さん、はだしで歩くと気持ちがいいよ」と声をかける場面があります。当然舗装などされているはずもない天城の山道を若い女と子供が素足で歩く、それも相当の距離だと思うのですがーーー。足の裏が血まみれになるのではないかと心配したことを思い出しました。いつかわらじで歩いてみなければいけません、実践主義者の私としては。地下足袋はコメリであるのですが、わらじがねぇ。

  横道にそれ過ぎましたが、今回のログです。今回はなまった体をほぐすトレーニングのつもりでしたのでゆっくりとしたペースで歩いてきました。

  9:09 下社(やしろ)先の駐車場出発
10:50 送電線直下休憩
11:25 三尺坊
11:50 秋葉山本社
11:55 茶店
12:30 下山開始
12:50 三尺坊通過
13:10 送電線直下休憩
14:30 下社付近駐車場着

5時間22分、約2万歩、約9.35km

いつものごとくそれぞれGPSデータ、万歩計、高度計のデータです。




  今回は少々曇りがちであまり眺望は良くありませんでしたが、前掲GPS地図データでも送電線とクロスするところに木製のテーブルとベンチがありゆったりと休憩しました。写真はそこから南側、天竜川の流れに沿って南側を見たところです。


  この先、東側に眺望が開けているところでは冬の晴れた日には富士山も望むことが出来ます。この写真は当日のものではありませんが、2006年の正月のものです。


  秋葉山から手前の山道を下ると「秋葉三尺坊大権現」があります。その昔秋葉山山岳信仰に、信州出身の三尺坊という修験者が起こしたと言われています。この三尺坊を祀る秋葉社と、観世音菩薩を本尊とする秋葉寺とが同じ境内にある神仏混淆ですが、この三尺坊の場所には現在「秋葉寺」が置かれています。なかなか分かりにくいのですが、これは三尺坊の山門です。


こちらは秋葉神社の旧神門です。



  これが新しい秋葉神社本社で、古い方は新しい(と言っても結構古いのですが)神門です。こちら側は道路が整備されていて車で参拝できます。ハイヒールやサンダル履きの人も多いので、旧参道の山道を汗みどろになってようやくたどり着いた我々との対比がなかなかです。


  秋葉神社の大鳥居は金色に輝いて南側には浜松、アクトタワーが見えます。また冬の晴れている時期には遠州灘を望むことが出来ます。火防の神社ですので火をおこしてお湯を沸かしてコーヒーを飲んだりすることはやや憚られますので、茶店・売店のご利用をお勧めします。


 

1 件のコメント:

  1. 初めてコメントしまーす!しょうこです(笑)
    なかなか素敵な所だねえ。
    急に寒くなってきたし、山に入る時は暖かくしてね!

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